時は400年前、インド北部に、世界的な有力王のひとりとして名を馳せた皇帝シャー・ジャハーンがいました。王妃ムムターズ・マハルを狂おしく愛した皇帝は、彼女のためにシャリマール庭園を建設しました。最愛の王妃が亡くなると、深い悲しみに沈んだ皇帝シャー・ジャハーンは、白い大理石にレースのように繊細な彫刻と、貴石の装飾を施した霊廟、タージ・マハルを建設したのでした。
この情熱的な愛の物語が、調香師ジャック・ゲランのイマジネーションをかき立てました。そして1925年、伝説的なフレグランス、シャリマーができ上りました。フレグランス界における初の現代的なオリエンタル フレグランスであったシャリマーは、今日でもなお、官能的なフェミニティの象徴として愛され続けています。レイモン・ゲランがデザインしたボトルは、パリ万国博覧会で最高賞を受賞しました。その曲線は有名なシャリマー庭園の泉からイメージされたもの。扇形の透明なサファイア色のキャップは、シャリマー庭園に永遠に流れる噴水を象徴しています。
「シャリマーは、愛、官能性、恍惚へのインビテーション」
シルヴィア トレダーノ
パリのジュエリークリエイター
パリジェンヌでありデザイン性の高いタリスマンジュエリーのデザイナーである、シルヴィア・トレダノは、永遠の愛を表現したフレグランスへのオマージュとして、1.5リットルのエクストラクトを収めた記念ボトルに、スペシャルデザインを考案し、センシュアルな曲線に寄り添う、ジュエリーを創作しました。シャリマーをジュエリーに見立てたのです。彼女の卓越した才能で、シャリマーが秘めた魅力「愛と官能、そして陶酔へのいざない」を、完璧に再現したのです。
24金のマットゴールドを使用したオーダーメイドの作品には、ラピスラズリ、アメジスト、カーネリアン、マラカイト、カルセドニー、タイガーアイ、ローズクォーツ、そしてシトリンといった無数の上質なカラーストーンがあしらわれています。これらはどれも、タージ・マハルの装飾に使用されたものと同じ、ジャイプル産のストーンです。きらめく反射で輝きを放つこのスペシャルエディションは、オリエンタルダンサーが装身具を身に付けたように、伝説の愛の媚薬を輝かせています。
ボトルの大きさ (縦 × 横 × 深さ) :
11,5 x 36 x 45,5 cm
この香水は、まさに女性のための媚薬。シトラスノートの広がりから、繊細なパウダリーノートの包み込むようなミドルノートへと香り立ちます。官能的なバニラの誘惑するような香りと、染み込むように広がる魅力的なアイリス、まろやかなオポパナクスに、温かみのあるグルマンなトンカビーンが混ざり合い、官能へを身をゆだねる、心地よい香りのシンフォニーを奏でます。この魅惑的なバニラは、マダガスカルにて栽培されたものです。約2世紀も前から、世代を超えて受け継がれるメゾンのノウハウによって、ゲランの職人は「バニラの色」をバニラの種とアルコールから作り出しています。ゲランは、フレグランスメゾンの中でも、今もなお独自にバニラの色を抽出し続けている希少なメゾンのひとつです。グルマンノートとともに、レザーとスパイスのかすかな香りをフレグランスに添えています。